量子力学のスピン



2014/9/1
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公開日 2002/3/9

量子力学のスピンとは、電子のような小さな粒子の自転です。

スピン

スピンとは何か

私たちが日常的に飲む水は、水素原子と酸素原子からできています。 水素原子では、陽子のまわりを電子がまわっています。 原子はとても小さいので、想像するのがとても難しいです。 そこで、日常的に使う単位系で原子を表現したいと思います。 その単位系を「日常単位系」と呼びます。

原子模型

上記の図で、電子の半径は390フェムトメートル(日常単位系:39センチメートル)です。 しかし、実際にはそれは正しくありません。 電子は1フェムトメートル(日常単位系:1ミリメートル)より小さいことが実験的に分かっているためです。

陽子と電子は自転しています。量子力学では、それをスピンと呼びます。 粒子はスピンの回転速度を速くすることもおそくすることもありません。 スピンの角運動量は固定です。

スピンを説明するため、ミュー粒子のスピンを考えます。 ミュー粒子は電子のような粒子です。 質量は106MeV(日常単位系:106g)、 寿命は2 マイクロ秒(日常単位系:7億年)です。 ミュー粒子は2個のニュートリノと1個の電子に崩壊します。

スピン

磁場がないならばスピンの回転軸は任意の方向をもちます。 電子の飛び出る方向からミュー粒子のスピンの回転軸の方向がわかります。 なぜなら、電子はミュー粒子のスピンの逆方向に飛び出るためです。

一方、磁場があるならば、スピンは二つの方向のみをもちます。 スピンの状態は磁場の方向と同じか反対方向です。 スピンの状態は、 スピンの方向が磁場と同じ状態と、 スピンの方向が磁場と反対の状態の重ね合わせです。 電子がミュー粒子から飛び出す方向はその二つだけです。 つまり、磁場は回転対称性を破ったのです。

スピンは自転か?

多くの人はスピンを自転と考えていません。 なぜならば、次の二つの問題があるからです。

回転速度

実験的に、電子の半径は、 1フェムトメートル(日常単位系:1ミリメートル)以下であることがわかっています。 スピンの角運動量を実現するには、 その回転速度は光速の390倍になります。 もしも電子の半径が390フェムトメートル(日常単位系:39センチメートル)ならば、 スピンの回転速度は光速になります。

波動関数の二価性

スピンを360度回転させると、波動関数の位相が逆になります。 スピンを720度回転させると、波動関数の元の位相に戻ります。 このため、スピンの波動関数は二価性をもちます。

まとめ

上記の問題があるため、多くの人々はスピンを自転と考えていません。 私はスピンを自転と解釈するために、次の論文を執筆しました。

この論文がスピンを自転と解釈する助けとなれば幸いです。


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