素粒子の寿命の不思議



2014/9/10
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公開日 2002/2/17

素粒子の 寿命の不思議を説明します。

素粒子の寿命

素粒子の寿命と質量

素粒子は寿命と質量をもちます。 電子は無限の寿命をもつと考えられています。 電子の質量は 0.5 MeV(メブ)です。 一方、陽子は有限の寿命をもつと考えられています。 しかし、その寿命の長さは、まだわかっていません。 陽子の質量は約 940 MeV(メブ)です。 もし、電子の質量を0.5gと仮定すれば、陽子の質量は約940gになります。

宇宙では、陽子が高速で飛んでいます。それらは宇宙線と呼ばれています。 その陽子が、大気中の原子と衝突し、いろいろな素粒子が生成されます。 素粒子の一部はタウ粒子とミュー粒子です。

タウ粒子の性質は電子と似ています。 タウ粒子の質量は約1800 MeV(メブ)です。 もし、電子の質量を0.5gと仮定すれば、タウ粒子の質量は約1800gになります。 このタウ粒子の平均寿命は300フェムト秒です。1フェムト秒は1000兆分の1秒です。 タウ粒子は電子とニュートリノに崩壊します。

ミュー粒子の性質は電子と似ています。 ミュー粒子の質量は約100 MeV(メブ)です。 もし、電子の質量を0.5gと仮定すれば、ミュー粒子の質量は約100gになります。 このミュー粒子の平均寿命は2マイクロ秒です。1マイクロ秒は100万分の1秒です。 もし、タウ粒子の平均寿命を約1000年と仮定すれば、ミュー粒子の平均寿命は7億年になります。 ミュー粒子は電子とニュートリノに崩壊します。

光子は2マイクロ秒で600m進みます。 ミュー粒子の平均寿命は2マイクロ秒であるため、600mも進まないはずです。 しかし実際には、6000m以上も進み、地表へ到達します。 特殊 相対性理論の効果が、ミュー粒子の寿命をのばすためです。

素粒子の質量と寿命(日常単位系)
素粒子 質量寿命
電子 0.5 MeV ( 0.5g)無限
陽子 940 MeV ( 940g)不明
タウ粒子 1800 MeV (1800g)300フェムト秒 (1000年)
ミュー粒子 100 MeV ( 100g)2マイクロ秒 (7億年)

素粒子の寿命の不思議

素粒子が寿命をもつことは、とても不思議なことです。 ろうそくの寿命はそのロウの部分の長さで決まります。 でも、それぞれの素粒子の寿命は、初めから決まっているわけではないのです。 生まれて1000年たった素粒子も、7億年たった素粒子もまったく同じ素粒子なのです。 いいかえれば、自分が何才なのかまったく覚えてないわけです。

それぞれの素粒子は単位時間ごとに一定の確率で崩壊しています。 たとえば、素粒子は1秒ごとにサイコロをふって、次のように行動します。

サイコロをふるという表現は比喩です。 しかしながら、素粒子は、どのようにサイコロをふるのでしょうか? サイコロをふる時間間隔はどのくらいなのでしょうか? 私は、その時間間隔はとても短いと考えます。 その時間間隔は時間の最小単位なのかもしれません。

このように、素粒子の崩壊に関しても、不思議なことがたくさんあるのです。


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