素粒子は寿命と質量をもちます。 電子は無限の寿命をもつと考えられています。 電子の質量は 0.5 MeV(メブ)です。 一方、陽子は有限の寿命をもつと考えられています。 しかし、その寿命の長さは、まだわかっていません。 陽子の質量は約 940 MeV(メブ)です。 もし、電子の質量を0.5gと仮定すれば、陽子の質量は約940gになります。
宇宙では、陽子が高速で飛んでいます。それらは宇宙線と呼ばれています。 その陽子が、大気中の原子と衝突し、いろいろな素粒子が生成されます。 素粒子の一部はタウ粒子とミュー粒子です。
タウ粒子の性質は電子と似ています。 タウ粒子の質量は約1800 MeV(メブ)です。 もし、電子の質量を0.5gと仮定すれば、タウ粒子の質量は約1800gになります。 このタウ粒子の平均寿命は300フェムト秒です。1フェムト秒は1000兆分の1秒です。 タウ粒子は電子とニュートリノに崩壊します。
ミュー粒子の性質は電子と似ています。 ミュー粒子の質量は約100 MeV(メブ)です。 もし、電子の質量を0.5gと仮定すれば、ミュー粒子の質量は約100gになります。 このミュー粒子の平均寿命は2マイクロ秒です。1マイクロ秒は100万分の1秒です。 もし、タウ粒子の平均寿命を約1000年と仮定すれば、ミュー粒子の平均寿命は7億年になります。 ミュー粒子は電子とニュートリノに崩壊します。
光子は2マイクロ秒で600m進みます。 ミュー粒子の平均寿命は2マイクロ秒であるため、600mも進まないはずです。 しかし実際には、6000m以上も進み、地表へ到達します。 特殊 相対性理論の効果が、ミュー粒子の寿命をのばすためです。
| 素粒子 | 質量 | 寿命 |
|---|---|---|
| 電子 | 0.5 MeV ( 0.5g) | 無限 |
| 陽子 | 940 MeV ( 940g) | 不明 |
| タウ粒子 | 1800 MeV (1800g) | 300フェムト秒 (1000年) |
| ミュー粒子 | 100 MeV ( 100g) | 2マイクロ秒 (7億年) |
素粒子が寿命をもつことは、とても不思議なことです。 ろうそくの寿命はそのロウの部分の長さで決まります。 でも、それぞれの素粒子の寿命は、初めから決まっているわけではないのです。 生まれて1000年たった素粒子も、7億年たった素粒子もまったく同じ素粒子なのです。 いいかえれば、自分が何才なのかまったく覚えてないわけです。
それぞれの素粒子は単位時間ごとに一定の確率で崩壊しています。 たとえば、素粒子は1秒ごとにサイコロをふって、次のように行動します。
サイコロをふるという表現は比喩です。 しかしながら、素粒子は、どのようにサイコロをふるのでしょうか? サイコロをふる時間間隔はどのくらいなのでしょうか? 私は、その時間間隔はとても短いと考えます。 その時間間隔は時間の最小単位なのかもしれません。
このように、素粒子の崩壊に関しても、不思議なことがたくさんあるのです。
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