「無反射膜」という言葉を聞いたことはありますか? それは、光の反射率を小さくするために、ガラスにつける 薄い膜のことです。 最近の高級な時計にはついているようです。
なぜ、薄い膜が、光の反射率を小さくするのでしょうか? 実は、これは、かなり不思議なことなのです。
私たちは光が粒子のように観測されることを知っています。 光が粒子のように観測されるのであれば、光は粒子のように飛んでいるはずです。 しかし光が粒のように飛んでいると考えると、 膜によって反射率が下がるという現象を説明することがとても難しくなるのです。
膜の表面がすべすべであることは、反射率が下がる理由ではありません。 膜の厚みが反射率を下げています。 膜の厚みがある一定の値のとき、反射率が格段に小さくなります。 これは膜の表面で反射した光の波と膜の裏側で反射した光の波が打ち消しあってしまうためです。 私たちは、その現象を干渉と呼びます。
光の粒子を 光子 と呼びます。 光子は膜の表面で反射したのでしょうか? 光子は膜の裏側で反射したのでしょうか? その干渉は1個の光子に対して起きるのです。 1個の光子が同一の場所、同一時刻で干渉するならば、 1個の光子が複数の時刻に出発する必要があります。 なぜならば、光子の速度は一定の光速度であるためです。
1個の光子は、複数の時刻に出発したのでしょうか? 謎は深まるばかりです。
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