シュレーディンガーの猫



2014/9/12
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公開日 2004/12/25

シュレーディンガーの(ねこ)と呼ばれる不思議な問題を説明します。

シュレーディンガーの猫
シュレーディンガーの(ねこ)

ボーアのコペンハーゲン解釈(かいしゃく)

1927年にデンマークの物理学者ニールス・ボーアは 次のことを主張しました。

ニールス・ボーア研究所がデンマークのコペンハーゲンにあるため、 この主張はコペンハーゲン解釈(かいしゃく)と呼ばれています。 これは、量子力学の主流な解釈(かいしゃく)です。

フォン・ノイマン=ウィグナー解釈(かいしゃく)

フォン・ノイマンとユージン・ウィグナーは1932年にコペンハーゲン解釈(かいしゃく)を拡張し、 次のことを主張しました。

この主張はフォン・ノイマン=ウィグナー解釈(かいしゃく)と呼ばれています。 オーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガーは、 この解釈(かいしゃく)には問題があると考えました。 そこで、(かれ)は1935年に思考実験 「シュレーディンガーの(ねこ)」を提示しました。

シュレーディンガーの(ねこ)のパラドックス

箱の中に(ねこ)をいれます。 そして放射性同位体の崩壊(ほうかい)の観測装置を置きます。 この観測装置を毒ガス噴出(ふんしゅつ)機に接続します。 放射性同位体が崩壊(ほうかい)すると、観測装置が信号を毒ガス噴出(ふんしゅつ)機に送ります。 その結果、毒ガスが噴出(ふんしゅつ)(ねこ)が死んでしまいます。

放射性同位体の崩壊(ほうかい)現象は波動関数で記述されます。 つまり、放射性同位体の状態は、 崩壊(ほうかい)した状態と、崩壊(ほうかい)していない状態の、重ね合わせになります。 そのため、放射性同位体が崩壊(ほうかい)したかどうかは観測するまでわかりません。

フォン・ノイマン=ウィグナー解釈(かいしゃく)が正しいとすると、 人間の意識が波動関数の崩壊を起こします。 そのため、人間が観測するまでの間、(ねこ)は生死の重ね合わせになります。 この(ねこ)を、シュレーディンガーの(ねこ)、またはシュレデンガーの(ねこ)と呼びます。

(ねこ)の生死の重ね合わせは非常識だ。 したがって、フォン・ノイマン=ウィグナー解釈(かいしゃく)は正しくない。 これが、シュレーディンガーの主張です。

フォン・ノイマン=ウィグナー解釈(かいしゃく)は、コペンハーゲン解釈(かいしゃく)の拡張です。 シュレーディンガーは、 フォン・ノイマン=ウィグナー解釈(かいしゃく)に反論するため、 シュレーディンガーの(ねこ)のパラドックスを提示しました。

シュレーディンガーの猫
シュレーディンガーの(ねこ)

シュレーディンガーの(ねこ)の解決策

コペンハーゲン解釈(かいしゃく)では、物理系は測定されるまで明確な特性をもちません。 測定されるまで猫の系は特性をもたないため、問題は存在しません。

一方、エヴェレットの多世界解釈(かいしゃく)では、生きている(ねこ)と死んでいる(ねこ)が 別の世界に存在します。 しかし多世界解釈(かいしゃく)が正しいことを示す実験的な証拠(しょうこ)はまだありません。

結論として、この問題は論争が続いており未解決です。 今後の解決を待ちたいと思います。


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