量子力学の波動関数



2013/6/30
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公開日 2012/11/4

ここでは、水素原子における電子の波動関数を考察します。

量子力学の波動関数
量子力学の波動関数

原子軌道の球面調和関数の回転軸

ボーアの原子模型によれば、原子核のまわりを電子が回転しています。 原子軌道は球面調和関数で表現できます。 しかし、次のような原子軌道の絵を見ても、公転には見えません。

原子軌道

上の絵の2段目に、赤の玉と青の玉がつながった形が見えます。 2段目の形は角運動量をもっているため、回転している電子を表現しているはずです。 しかし、回転軸を見つけることができません。

一方、 数理美術科学館様 「位相で見る波動関数」のページ では、次のような方法で、波動関数を表現しています。

  1. 振幅を作画の明るさで表現する。
  2. 位相を色相で表現する。

この方法で、原子核まわりの電子の回転をアニメーションで表示できます。

これをJavaScriptでアニメーション表示できないかと考えました。 そのアニメーションを次の節でお見せします。

回転する電子のアニメーション

水素原子で回転する4f軌道の電子の波動関数のGIF(ジフ)アニメーションを次のページで参照できます。

電子の波動関数のGIFアニメーション
電子の波動関数のGIFアニメーション

([State]=(431),[Number]=51200)

Youtubeでも公開しています。

次のようなステップで動画をつくっています。

(1) モンテカルロ法で観測確率に比例して点を配置する。
(2) 位相に応じて、点に色をつける。
(3) 時間ごとに各点の位相を変化させる。

そうすると、位相を変化させるだけで、回転しているように見えるわけです。

水素原子で回転する電子の波動関数のJavaScriptアニメーションは次のページのとおりです。

電子の波動関数のJavaScriptアニメーション
電子の波動関数のJavaScriptアニメーション

([State]=(431),[Number]=51200)

状態

初期の状態は(n,l,m)=(4,3,1)の状態です。(n:主量子数、l:方位量子数、m:磁気量子数)

「State」ボタンを押せば、状態(1,0,0),(2,1,1),(3,2,1),(3,2,2),(4,3,1) のひとつをえらべます。 (n,l,m)=(1,0,0)の状態は回転していません。 位相が全体的に変わります。

点の数

初期の点の数は51200個です。 マシンパワーに余裕がないようでしたら、「Number」ボタンをおして点の数を減らしてみてください。

解説

アニメーションを表示するために、JavaScriptのCanvasを使用しました。 次のブラウザで動作します。

Canvasに対応していないIE6,IE7,IE8では、 HTML5::Canvas互換機能を提供するJavaScriptライブラリuuCanvas.jsを使用しました。


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